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[TOC] 2005 December コミュニケーション有能への進化（２９）インターネット・ジュラシックパーク「ジュラシックパーク」は人口に膾炙しておる某商業映画のタイトルだが、ここでは古い・滅びた・今は化石しか残っていない・巨大な非知性的動物が跳梁跋扈していた時代、の意味で使う。 ところがインターネット・ジュラシックパークは、そんな太古の昔ではなく、まさに今現在のことだ…とくに日本のようなコミュニケーション後進国においては。それが、急速に太古の昔へと遠ざかってほしい、過去のものになってほしい、との願いから本文のタイトルは付けられている。その今現在のジュラ紀をのし歩く“恐竜”たちは、ドコモなどに代表されるケータイ各社や、楽天などに代表される巨大サーバ企業のことだ。 ちなみにこの私がケータイを持たない最大の理由は、あのメールの料金制度がアタマにくるからだ。公共資源・公共施設の一角を私物化して、勝手な料金を取るとはナニゴトだ！。インターネットと呼ばれるグローバルな公共資源・公共施設の整備とメンテナンスのための費用負担はもちろん重要な課題だが、それとこれとは全然話が違う！。道路に例えると、道路整備に税金が使われるのは当然、しかし道路の一角を私物化してそこの通行に金を取る私企業があってはならない。インターネットの個別的利用そのものは、完全に無料であるべきである。 楽天など巨大サーバ企業も、ドコモと似たインターネット私物化企業といえる。それは、サーバの物理的機械的な管理だけをやってくれるレンタルサーバ企業とは全然意味合いが違う。また欧米に多い、Web アプリケーションの設定とメンテナンスをやって技術料だけをもらうというビジネスモデルの、個人や、個人に毛が生えた程度の各地元ＩＴコンサル企業とも、全然性質が違う。 日本の現状は、このタイプの、ローカルなＩＴ産業の発展がきわめて遅れている。楽天は今、一社から訴訟されている※が、その阿漕な商売に対するノー！の声が大規模な集団訴訟（クラスアクション）にまでは発展していない。残念だ。来年あたりは、もっと目覚めたユーザが増大してほしい。 〔※：毎月５万円、年間６０万円の利用料金という最初の契約だったが、いつのまにか売り上げマージン制になり、年間の料金額が１０００万円近くになっていた、というひどい事例。〕 ジュラシックパーク、恐竜時代という比喩が弱いなら、封建時代とか、中国をはじめまだ今年現在崩壊していない一党独裁国家とかに比喩したほうがよいかもしれない。権力の民主化、非中央集権化を、インターネットの民主化、非巨大集中化になぞらえるのである。ともかく今のインターネットのあり方が、きわめて原始的太古的なものであることを、全社会的な認識として認識する必要がある。そこから、打倒幕府、打倒チャウシェスク、打倒ドコモ、打倒楽天、等々の動きが始まる。 何度か繰り返してきたが、具体的な最適化（オプティマイゼーション）の形をさておいて言えば、ネットワーキングとは、すべてのノードの機能とパワーが平等互角である状態を指す。そうでなければ、それはネットワークではなく古典的な階層（ヒエラルキー、放射状状態）である。ノードのタイプは、個人、企業、団体など多様であっても、物理的には各ノードが万能サーバであり万能クライアントでありルータであり、ピア同士であり、ときには任意グリッドの構成員等々である※。この状態で、今自動車産業や住宅産業が小さな町や村の地元整備工場や各種工事店、ガスステーションなどなどにまで、密に、細かく、びっしりと根を張っているのと似て、地域ＩＴ産業というものが育ち確立する。もちろんそれらは、今の恐竜サーバ企業のように阿漕に理不尽にショバ代を取るビジネスモデルではなく、技術サービスだけを提供する。ショバ（場所、実行資源）そのものは、各ノードが互角平等強力に持つ。 〔※：この[バックボーンのないインターネットは可能か]という記事を読んでみましょう。〕 〔※：Internet neutrality（インターネットの中立性）については[Future of Internet Debate Ignored by Media]という記事から勉強をスタートしましょう（私の個人的推薦）。〕 来年あたり、「インターネットのリアルインターネット化元年」と呼べるような動きが、この日本にも蠢（うごめ）きめきはじめてほしいものだ。恐竜たちは、アタマにくる、腹立たしいばかりでなく、そのあり方そのものが（形が旧マスメディア型であるため）、きわめて退屈である。 [TOC] |02/10月のエッセイ| |02/11月のエッセイ| |02/12月のエッセイ| |03/1月のエッセイ| |03/3月のエッセイ| |03/4月のエッセイ| |03/5月のエッセイ| |03/6月のエッセイ| |03/7月のエッセイ| |03/8月のエッセイ| |03/9月のエッセイ| |03/10月のエッセイ| |03/11月のエッセイ| |03/12月のエッセイ| |04/1月のエッセイ| |04/2月の？？？？| |04/3月のエッセイ| |04/4月のエッセイ| |04/5月のエッセイ| |04/7月のエッセイ| |04/9月のエッセイ| |04/10月のエッセイ| |04/11月のエッセイ| |05/2月のエッセイ| |05/3月のエッセイ| |05/4月のエッセイ| |05/5月のエッセイ| |05/6月のエッセイ| |05/7月のエッセイ| |05/8月のエッセイ| |05/9月のエッセイ| |05/10月のエッセイ| |05/11月のエッセイ| |