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[TOC] 2006 August コミュニケーション有能への進化（３６）英霊私の二人のおじさんは、二人とも英霊である。戦死したのは私がまだ赤ん坊のころだから、具体的な記憶はないが、写真は何度も見ている。二人とも、かなりの、イケメンの青年である。 二人の霊は、どこに祀られているわけでもない。写真しか見たことのない私も含めて、家族（など）の思い出という名のブランケットに包まれているだけである。今日は８月１５日であるので、二人の顔が私の脳裏に浮かび、そしてその顔は「国家やそのサブ共同体を象徴する神社に祀られないこと、親しい人びとの心の中にだけいることの意義について書いてくれ」と訴えていた。 そこで今回はこの短文を書いた。純粋に個であることの意義については、この、コミュニケーション有能への進化シリーズで繰り返している。私は７〜８月の労働がかなりintensiveだったので、今かなり夏ばてぎみだ。長い文を書くスタミナがない。とにかく、結論としては、本当に霊を慈しむ気持ち、そして戦争への慚愧感があるなら、靖国神社のようなものを完全に空っぽの神社にしてしまうべきだ。霊を個へ返し、そして私たちひとりひとりもまた、はだかの個としての自己を、あらゆる個に対し、フレンドリに、コミュニケーティブに、維持し続けるべきだ。 二人のおじさんの命を若くして無駄に奪い、私からイケメンおじさんを二人も奪った愚劣な戦争は、それに対する完全な否定のためと、類似行為を国家に再行させないためには、ひとりひとりが、このような「個の頑固さ」に静かに居直り続けることが必要だ。 小泉さんの「心」がもう少しイマジネーション豊富だったら、とむらいたい霊のほとんどがあの大きな神社をとっくに脱走してしまって、そこにはもういないことを、imagineできるだろう。そういう気持ちの霊のほうが圧倒的多数だと、私には思える。 --この稿未完-- p.s. おじさんたち、またスタミナが充満してきたら続きを書きますよ。今回は、これでかんべんしてください。 p.s.2 そもそも、神社と祭祀制度で霊がそこにいるようになるという考えもまた、「生の驕り」のあらわれの一つであります。生き残っている側の、勝手な思い込みである。勝手な、裁量である。霊にも霊の自由がある、と考えるのが妥当だ。出雲大社に“鎮霊”されていることになっている古事記時代の地方豪族の霊は、いまごろはどこかの山の上で「くそくらえ」とつぶやいていることだろう。霊の自由を認めることは、われわれの知らないことも含め、宇宙のあらゆる可能なあり方に対しオープンな心を維持することだ。生の都合の側に立って勝手な概念で色塗りしないことだ。そんな心の保ち方が、コミュニケーション能力が育つ地盤になるはずだ。
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